拡大床装置について
取り外し式の拡大床装置
拡⼤床装置は、⻭列不正の強い8歳頃から使⽤できる⼩児本格矯正です。⻭列アーチをきれいに拡⼤して永久⻭が⽣えてくるスペースを作るためのものです。⻭列を拡⼤したからといって⾻格が⼤きくなりエラが張るなどフェイスラインへの影響が出ることはありません。⼦どもの顎の成⻑を上⼿にコントロールするためにもので、拡⼤装置にはネジが付いていて、これを回転させることで装置のサイズを細かく調整できます。これによりベストな形や⼤きさまで顎が成⻑するよう導きます。
拡⼤床はどのような装置か
⻭列の内側にはまるアーチ型をした拡⼤装置の床はプラスチックで、左右半分ずつのパーツでできています。このパーツの間をスクリューがつないでいて、スクリューキーでその幅を調整できます。ワイヤーで固定しますが、取り外して⾷事や⻭みがきを⾏うことができます。
装着時間が⻑ければ、それだけ治療期間が短くなります。また、いったん外してしまうと⻭が元の位置に戻ろうとする⼒がかかるため、1⽇に最低でも連続10時間以上の装着が必要です。
取り外す際には両⼿で同じ⼒をかけながらゆっくり外します。装着は鏡を⾒ながら両⼿の指先で丁寧に取り付けます。⻭磨きの時に外した際には、⼿のひらに乗せた状態でブラシなどを使い、流⽔できれいに洗ってから装着してください。
拡大床装置使用の際のご注意
痛みが強い場合には、外してネジを少しだけゆるめて装着し、クリニックにご相談ください。
プラスチック部分は不快感や異物感を軽減するために薄く作られていますので、ちょっとした力で壊れる可能性がありますので、やさしく丁寧に取り扱ってください。
食事などの際に取り外したら、紛失や破損、汚れを防ぐために専用ケースに収納してください。
運動をする際には取り外さないと思わぬケガや外れて破損する可能性がありますので、必ず外して専用ケースに保管してください。
固定式の拡大床装置 クワドヘリックス+ワイヤー矯正
固定式の拡大床装置
⻭列の横幅をゆっくり拡⼤するための装置で、緩徐拡⼤装置とも呼ばれています。急速な拡⼤装置である急速拡⼤装置に⽐べて治療期間が⻑くかかりますが、時間をかけて広げる分、痛みや違和感が少なくなります。
⻭に囲まれた内側には太くコイル状のワイヤーがあり、これが⽣み出す弾⼒によって⻭列に弱い⼒を及ぼし、それによって⻭列⼸が少しずつ押し広げられます。⾦属のバンドで⾅⻭に固定するため、取り外すことはできませんが、24時間弱い⼒で無理なく顎を拡⼤することができます。
固定式の拡⼤装置による治療が有効なのは、⻭列⼸の幅が狭いケースです。⼋重⻭やデコボコなどの叢⽣、内側に傾いて⽣えている⻭、ねじれた奥⻭などの矯正効果も期待できます。急速な拡⼤装置と違い、⻭の向きを斜めに動かす傾斜移動で⻭列拡⼤を⾏うため、年齢に関わりなく幅広く矯正治療に⽤いられています。
ワイヤーやバンドの調整や加⼯によって、指しゃぶりや⾆を前に出す⾆突出など、⻭並びに悪影響を与える癖をなくすためにも役⽴つことがあります。
治療期間には⻭列不正の度合いや年齢など個⼈差がありますが、平均して1〜2年程度です。はじめて装着した直後は数⽇間、⾷事の際に限ると1週間程度、痛みが現れる可能性があります。
コイル状の太いワイヤーが⼝の内側にあるため、⾷事のしにくさや⾷べ物が挟まりやすい傾向があります。ワイヤーに絡みやすいガムなどは避けるようにしてください。